賃貸専門業者の声

賃貸専門業者の声
10年前に賃貸営業マンをしていた私からみて、現在の賃貸営業市場は非常に苛酷なものになってきております。

当時と比べて、物件の空室が非常に多くなり、紹介する物件に困らなくなった反面、若い世代の一人暮らしの方の減少や、住宅ローン控除や公定歩合の引下げによる金利低下のため住宅購入希望者が多くなってきたためファミリー層の賃貸住宅需要数の減少が見られます。つまり大まかに言えば、物件は増えたが、逆に入居希望者が減ったということです。
ここ最近では賃貸専門業者において、「仲介手数料0円」などの広告を打ち出して集客するため、契約したとしても入ってくる金額が少なくなり、当然ながら以前に比べて1件あたりの売上単価が下がってきているそうです。その分を補うため、オーナー様が手数料を「広告料」という名目で負担している傾向がみられます。

学生専門の賃貸専門業者からは「ここ数年、自宅通学する学生が多くなり成約件数が減っている」、また学校側からは「全体的に新入学生が減っている」との声が聞こえてきております。二つの要因により、大学などの周辺物件では空室が増え、オーナー様も大変苦労しているようです。

一方で、先日「ローン返済に苦しんで、マイホームの売却が急増」という北海道新聞の記事が出ていました。年収やボーナスが大幅に減ったため住宅ローンが家計を圧迫するようになり、泣く泣く手放すケースが多くなったという話です。その記事について、ある不動産会社の社長へお話を伺ったところ、「ローン返済できなくなったための売却案件が昨年より多くなった。北海道の売却数は他の地域より多いかもしれない」と言っていました。また、この件について賃貸専門業者で「住宅を売却された方の部屋探しの案件が増えてきている」と話す方もいました。
この状況が続けば、銀行側が住宅ローンの審査を厳しくしてくるでしょうし、となると住宅を購入できる方が減って、賃貸の需要が増えてくるという現象も予想されます。そう考えてみるとファミリー向けの賃貸マンションなどは、今後入居率が上がっていくのではないでしょうか。

このように経済状況を見据えながら、需要と供給のバランスを考慮して、賃貸業への取り組み方を変えていくことも必要かもしれません。
今後も賃貸市場を把握するため、北海道経済の動向に気をつけながら、道内各エリアの業者の声を集めていきたいと思います。

賃貸専門業者との付き合い方

賃貸専門業者との付き合い方
賃貸専門業者は、オーナー様にとって大家業を行う上で最も必要不可欠な不動産業者と言えるでしょう。賃貸専門業者と上手にお付合いすることで、オーナー様の悩みのひとつ「空室」が解決することになります。自分の物件の紹介・案内率が上がり、成約につながるのです。ここでは賃貸専門業者との付き合い方を、業界の裏側を見ながら、ご提案してみたいと思います。

札幌市内には数多くの賃貸専門業者の店があります。オーナー様にとっては、当然のことながら自分の物件周辺において人気のある(お客様がいる)賃貸業者と親しい関係を作る、ということが重要になります。もっと踏み込んで言えば、賃貸専門会社に勤めている「営業マン」の心をつかむことがポイントとなります。所有物件のファンになって頂くにはどのようなことができるでしょうか。

賃貸専門会社に勤務する営業マンには、「売上ノルマ」があります。宅建業法という法律では、家賃の1ヶ月分が手数料として売上げがたつことになり、その金額が営業マンの成績になります。そうなると「家賃の低い物件よりは高い物件を契約したい!」という営業マンの声が聞こえてきませんか。手数料が家賃と同額であれば、そういう願望が生まれてくるのは当たり前です。しかしもちろん、お客様は高額な家賃の部屋を借りたい方ばかりではありません。そこで賃貸専門業者は考えました・・・。

それらの問題を解決する手段として「広告料」という呼ばれるものを考えたのです。「広告」をする料金として、オーナー様が「家賃数ヶ月分」の報酬を賃貸専門業者に支払うというスタイルは、札幌市では当たり前の商習慣になってきております。現在では、家賃ひと月分の単なる仲介手数料を支払うということでは、賃貸専門業者は全く動かなくなってしまいました。結果として「広告料」をどれだけ支払うかが入居を決定づける大きな要因になっていったのです。

しかし、「広告料」を積み増しすることだけが、入居決定率を上げる唯一の方法ではありません。それにお金をたくさん渡せばいいんだよ、という結論では、この「賃貸専門業者との上手な付き合い方」の提案にはなりません。
ではどうするのがいいのか。
一つ営業マンの心をつかむ有効な手法として、成約担当者へ報酬(商品券やQUOカード等)を贈呈するというのがあります。それを実践してどんどん空室を埋めているオーナー様も実際にいらっしゃいます。
私事ですが、かつて賃貸営業していた時、定期的にカップ麺や飲み物を差し入れしてくれるオーナー様がいらっしゃいました。そんなことをしてくれるオーナー様は他にはいなかったので、大変印象にも残りましたし、当然やる気も高まりました。高額な商品でなくても全く構いません。その心遣いが非常にありがたく、温かい気持ちで仕事をすることができた、ということが大きかったのかと思います。言えるのは、営業マンにとって心に残るオーナー様になっていけば、物件紹介の数に確実に反映されるということです。紹介の延べ数が上がると、成約率がどうであれ決まる確率は当然上昇します。
足を運んだり、買い物をして差し入れをするなど、労力としては決して小さなものではありません。しかし多大な「広告料」を支払うことを考えれば、その労力は恐らく報われるでしょう。もちろん最低限の「広告料」は必要になってきますが、それでも「最低限」で済むはずです。また、足を運んで顔を出すことで、営業マンにも親近感が湧いてきて、お互いに良い関係づくりができるはずです。

管理会社に物件を委託している方に気をつけていただきたいのが、その管理会社が賃貸専門業者とどのような関係にあるかということです。FAXや電話での空きの確認程度という、ほとんど接点がないような状態では、あまりその管理会社には期待できないかもしれません。そういう管理会社においては、そこの社員が預かっている物件について愛着がないケースが非常に多く、情熱を持って入居率を上げようという気持ちが希薄であり、ほぼ「ほったらかし」に近い管理状態になっていることも少なくありません。そのあたりにおいても、オーナー様は資産の一部運営を任せている管理会社を厳しくチェックしていく必要があるようです。たたし、賃貸専門業者との関係ができている管理会社からの上記のような(広告料・商品券の贈呈や差し入れ等)の提案については、オーナー様の方で受け入れていくことも重要かと思います。

また、再度空室が出たときには、以前成約してくれた担当営業マンに直接募集依頼することで成約率のアップを図ることができます。一度でも決めた物件のことを営業マンはよく覚えているものです。その営業マンに心付けを渡し、よろしくと改めてお願いすることで、やる気を出して、案内物件のリストに加えてくれるようになるものです。

入居者に対してできること

入居者に対してできること
オーナー様の中には、管理精算書(送金明細)や入金のある銀行通帳など、「数字」しか見ていない方がかなり多くいるようです。ゆっくりと自宅でくつろいでいるだけでアパート経営ができるほど、賃貸業というのは甘くなくなってきました。 ここでは、オーナー様が入居者に対して具体的に何ができ、その結果どのようなことが起こるか、について述べていきたいと思います。

入居者から毎月何となく家賃が入っている中で、突然クレームや苦情が入ってからモタモタと対応しているようでは、入居者はおのずと別の良い物件に引越しをしてしまうでしょう。 そのようなことが起こる前にある程度自分の物件に関してのリサーチをしていかなければ新しい時代にはついていけません。自分の物件は他の物件と比べて何が劣っているのか、また新築の物件はどのような設備を導入してお客を獲得しているのか、賃貸市場ではどのようなニーズがあるのか、そういったことについて敏感になっていなければならないのです。 だからと言って、単純にお金をかけて設備投資をしてしまえば良いという訳ではありません。
一つの提案として、まずは自分の物件入居者が何を望んでいるのかについて「入居者からアンケートを取る」という方法があります。中には回答の中には、明らかに無理な要望だと思えるものも出てくるかもしれません。しかし入居者本人もこのアンケートによって自分の希望がすべて叶うと思う方は多くはないでしょう。ただ、そのアンケートだけでも入居者の気持ちは変わるはずです。入居者はオーナー様が「今の生活(室内)について不便はありませんか?」と心配してくれていると感じ入るはずです。そこにオーナー様の気遣いを読み取るはずです。しかしあるいは、アンケートにおいて「ケチ」をつけてくる入居者もいるでしょう。ですが、その「ケチ」については“サイレントクレーマー”を発見したことになり、オーナー様はクレームや苦情を早急に対処することができます。 アンケートの集計を取ることによって普段コミュニケーションとる機会の少ない入居者とコミュニケーションをとることができ、どのような要望があるのか?またどこが不便なのか?が見えてくるでしょう。 オーナー様は、アンケート取得後に入居者に対して何をしてあげられるだろうかと考えてみるべきです。
またアンケート内容が以下のようなことであれば対応すべきかもしれません。
  • 共用部が暗い…(共用部の照明設備の見直し)
  • エアコンをつけてほしい(室内のグレードアップにもつながる)
  • 家賃が高い!(交渉そして、若干の値下げはありか)
  • ペットを飼いたい(提案型賃貸住宅への進化)
  • インターネット環境を充実してほしい(インターネット導入賃貸住宅)
  • 日当たりが悪い!(室内リフォーム)
オーナー様が使える費用の問題もありますが、アンケートでの要望の一つだけでも出来そうな箇所について採用することにより、転勤や結婚などのやむを得ない理由以外での引越しは解消されると思われます。また建物の内外部において、グレードアップさせることができればそれは新しいスタイルの物件へと進化し、時代のニーズに合った不動産になっていくことでしょう。

 上記に並べた回答について具体的に眺めてみましょう。
  • 「共用部が暗い…」については現在設置されている照明設備の見直しが必要です。他の入居者がアンケートに記載していなくても同じ気持ちの方はいるはずです。タイマー式の照明設備から人感センサー式に変えてはいかがでしょうか。実は、人が出入りする時間帯は夕方が多いのです。その時タイマー式だと室内が暗くなっていても、決められた時間設定のため照明がついていないこともあります。人感センサーに変えることにより人が出入りする際に必ず点灯させるようにすれば問題は解決されるでしょう。
  • 「家賃が高い!」と言われれば不愉快に感じるオーナー様は多いと思います。ですが、現在の賃貸市場を把握しているかどうかというのはオーナー業において非常に大切な要素になってきます。ただ書けばいいと思ってそう回答している入居者の意見はあまり聞く必要はありませんが、もしオーナー様の独りよがりの家賃設定が続いているとしたら、事態は深刻です。当然ながら徐々に空室が増えていくでしょう。業者が物件を販売する際にどのように話していようと、家賃をどうするかで不動産投資の成否が決まってくるのです。または、長期に渡り住んでいる入居者であれば、初期の家賃設定のまま高く借りていて、現在の家賃について不満を持っていることもあるかもしれません。家賃が高いからという理由で退室してしまい、再度入居者募集をするのに室内リフォームや業者への手数料がかかってくることを考えてみてください。対策の打ちようがあるのではないでしょうか。また相場より高い金額で募集すれば当然、入居希望者は現れません。その意味でもこの問題についてはしっかりと考える必要性があると思います。
  • 「日当たりが悪い」という回答は、解決するのに非常に難しい問題です。隣の建物により日当たりが悪くなったからといってその隣の建物を解体すればいいという訳にはいきません。ではどうするか。「室内のイメージを変える」という視点で問題解決にあたってみてはいかがでしょうか。現状ではありきたりな内装になっていませんか。暗い調子の家具の配置しかできないような間取りではないでしょうか。某テレビ番組のようなリフォームは困難かと思いますが、壁紙や床材を明るいものに変えてみるくらいなら、費用に比べて効果は案外大きなものです。入居者の気持ちが明るくなるような内装を採り入れれば、きっと今より快適に入居者も生活できることでしょう。入居者が住んでいる場合でも希望に近くなると思えば、協力していただけます。一番の理想は空室の際に、オーナー様が部屋を眺めて、不満になりそうな部分をチェックし、空室のうちに内装工事を施しておくのが良いでしょう。
所有物件について、オーナー様が家賃収入などの数字的管理をするだけでは、優良な入居者は集まりませんし、そうなると決して優良なオーナー様とは言えないでしょう。アンケートをとることで初めて入居者の声が聞こえてくるはずです。勇気もいりますが、現実の声を聞くことは、賃貸経営にとって問題解決への非常に重要な要素です。入居者というのは、不満を持っていても退居する際は静かに去っていきます。入居者の生の声を聞かなければ、また新しい方が入居しても同じ理由で退室してしまうことになるでしょう。

家賃設定と「広告料」

家賃設定と「広告料」
不動産売買をメインにしている不動産業者から物件紹介を受けた投資家が、その業者が設定している家賃を鵜呑みにしてしまい、現実には想定していた賃料では成約に結びつかず、空室が一向に埋まらないという失敗が数多く見受けられます。
札幌市の賃貸専門業者を例にとると、市内の地下鉄駅周辺には必ずと言って良いほど賃貸不動産店舗が存在しております。また最近ではJR駅周辺にまで店舗展開を行っている賃貸専門業者もあります。これらの賃貸専門業者はやはりプロです。入居が決まる物件、そして決まらない物件を知っています。ですから、収益物件購入の際、賃料設定については購入物件周辺の賃貸専門業者への賃料査定が重要になってくるのです。
 ただし、オーナー様が賃貸店舗へ直接訪問して、賃料設定を依頼したとしても正確な査定を望むのは困難だと思います。仲介業者にとってオーナー様もお客様になりますので、相場より高い金額で査定する恐れがあります。つまり、現実的で厳しい答えではなく、聞こえが良く当たり障りがない回答しか得られない可能性が高いのです。
 そこで、賃貸専門業者と一番密接な関係にある管理会社を利用して現在所有している物件や購入検討物件の賃料査定を依頼するという方法がありますし、当社としてもオーナー様にそれを勧めています。
確実に入居されるであろうと思われる家賃査定を行い、その上で利回りを再計算してから、物件購入の判断を下していくことで、賢明な不動産投資ができるのです。

また入居を促進するための費用として「広告料」と呼ばれるものがあります。札幌の賃貸市場の商慣習で、賃貸専門業者へ成約時にお支払する手数料になります。
本来、宅建業法においては上限として、成約された場合に、借主から家賃の半分、貸主から家賃の半分、の合計家賃ひと月分が賃貸業者に入ってくることになっています。しかし入居者獲得の手法として、賃貸専門業者に対して「広告料」という名目にて、その料金を数ヶ月分上積みして紹介依頼をするケースが多くなってきております。
法律上では、家賃のひと月分までは賃貸専門業者に入ってくる仕組みになっていますが、それでは「決まらない」ということで、「宣伝広告」するからその分の費用をいただきたいという体裁になっています。その宣伝広告というのは、WEB掲載や雑誌掲載、それから店舗内において貼り紙をしたり、お客様に対して資料を提示したりするなどの費用だと言われてします。実際にかかった費用のことに限定しているわけではありません。ただ、古い物件や条件的に厳しい物件になってくると、「広告料」が明らかに増えていき、3ヶ月分、4ヶ月分というのも珍しくなくなってきております。
 この「広告料」の査定についても、家賃査定同様に、賃貸専門業者は直接オーナー様に対してはっきりした金額について回答をするとは期待できません。やはり管理会社を活用するのが正確な相場を知ることへの早道になるでしょう。
以上の話を総合してみると、各エリアの正確な家賃相場と「広告料」を把握することが非常に重要であるということ、さらに効率良く「広告料」を活用して賃貸専門業者が斡旋できる体制をつくることが、入居者獲得への大事なポイントであり、不動産投資成功への方策だと言えるでしょう。